抱きしめてトゥナイト

つらつらと、つれづれに。

5年8ヶ月真剣に付き合った女が、彼氏ではなく「パートナー」を作って学んだ話。④

 

 

そしてついに事件は起きる。

 

 

 

 

 

 

 

◯恋人の定義とは

 

 

 

 

その日はおしゃれなかき氷を食べて、街探索や公園をぶらぶら散歩しようということになり私と友人Aは1ヶ月ぶりくらいに会い、いつもと変わらず楽しく過ごしていた。

 

そして夜、お酒を飲みながら談笑していた時

 

ふと、友人Aに「彼氏彼女って分類される境界線って何処なんだろうね」と話を持ちかけられる。

 

友人Aは今は彼女はいらないと元々公言しており、それに加えて彼が性的な関係を持ってる女性がたまにいることも話を聞いていたので、私と付き合いたい。という旨ではなく純粋に出た質問であるということは重々承知していた。

 

とはいうものの、電話がかかってくる回数が増えたことや距離が縮まってきたこと、

前話していた時に、次回遊びに行く場所の話になり特に何も気にせず私が一度パートナーの方と遠出した場所を提案したところ(③に書いたが一度遠出したことは話した)

 

「それ、◯◯君(パートナー)と君が行ったところだからやだ」

 

と言われ若干の違和感を感じたことなどから、その純粋に出たであろう質問の続きを想像して私は若干焦っていた。

 

続きを促すと

 

「こうやって仲良く遊びに行ったり、予定を立てたり、ご飯に行ったり、電話してたり、ラインをしたりお互いをしっかりと思い合ってるのにこれでも彼氏彼女と呼ばないならセックスの有無の違いしかないけど、どこからが境界線なんだろうね」

 

と続けた。私も別れてからというもの、新たな関係ができるたびに私も考えていたことだった。その純粋な疑問に、いやほんとわかるよ。と同意する気持ちだった。

 

(それに加え私も現在パートナーである彼にも常日頃考えていた。

自分とパートナーである彼はお互いのことをやんわりとだが彼氏彼女に等しい距離になっていた。が、でもそれを認めてしまったらお互いを生活にもっと組み込む必要性が出てきて今以上に動きにくくなるとお互いに危惧していた。そのことから今の半端な自分たちの提唱した「パートナー」という形が自分たちには最適であることも気づいていた。)

 

 

また彼氏彼女の境界線を探るほどに友人Aと私はそこまで近づいていたのかとそこで初めて気づいた。いや気づいていたが、それを考え始めたらもう友人として会っているという方便は使えなくなる。だが私はパートナーのほうを裏切ることをしたくなかった為、それを守るためにも男友達という距離を変えずにいる必要があった。

そのことから私は考えることを放棄していたのだ。

 

 

 

私は一瞬悩み、私たちの関係性をしっかりとさせることにシフトチェンジすることにした。

 

 

 

「うーん。たしかにそうだよね。でも例えば彼氏彼女だったら他の男の人と遊びに行ったりしたら嫌でしょ?他の人とやってるって話したり。私も嫌じゃないし、友人Aも嫌じゃないでしょ?つまり私たちはそういう話が楽しくできるから恋愛的な愛じゃなくて親愛で、だから人間として好きってことなんだよ!」

といった。

友人Aはほんとにそうだ!彼女の時は嫌だった。といったので私は安心して続けた。

今まで私はパートナーの名前はだしたことはなかったが、セックスをする相手が何人かいたことはよく話していたし現在は一人に今絞ってしていることも軽くだが話していた。そして相手もそういう旨で続けていると話していた。

 

 

「でしょ?今までお互いめっちゃはなしてきたじゃん。お互い誰とくっついたりしてたって遊んでたって嫌じゃないんだからさ、そういうことだよ!」

 

 

 すると友人Aはあー・・・と少し考えていった。

 

「でも俺、◯◯君(パートナー)と遊んだって聞いた時すごく嫌だったんだよね。なんか◯◯君でもいいんだっておもってさ」

 

 

 

といった。

 

 

 

 

 

 

その瞬間、私の中のいたたまれなさは頂点を突破し、あぁもうこれは言わなきゃダメなやつだ。と悟った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◯パートナーの暴露

 

 

一瞬で顔が引きつった私を見て友人Aはえ、急にどうしたの?!と焦っていた。

 

 

でもここまできたら言わないで過ごすのはさすがに良心がなさすぎる。

そう思い私は、口を開いた。

 

 

「ごめん。私◯◯君とそういう関係なの」

 

 

今まで口止めされてたから、その件に関しては言えなかったんだけど

やっぱり言っといたほうがいいと思って。隠してたみたいでごめん。

 

 

そう続け、顔を見ると一瞬彼の顔は少し引きつったがすぐ形成を立て直し

「いや〜!まじか!いやでもそうだとおもってたわ。おかしいと思った。

2人で飲み直した時?それとも鎌倉の時?」

と笑いながら聞いてきた。

 

 

いやもうこれは正直に言うしかない。そう思った私は

 

 

「いやごめん、今もずっと続いてて。前話した他の人切ってパートナーみたいな形で過ごしてるってやつで。あっちの家に、もうまくらとか歯ブラシとか置いてお互いちょっと今は一人ねってかんじで関係つづけてるんだ」

 

といった。

 

 

 

その瞬間

彼の顔から笑いが消えたのを感じた。

 

 

一瞬そんなにショックだったのかな、と思った。

ごめん、とおもったが

顔の引きつり具合や目の泳ぎ具合から

彼がソレについてショックを受けてるのではなく私の話に違和感を感じていることがわかった。

 

 

 

 

 

 

 

いや、そんなわけないでしょさすがに。いやまさかね、いや。

 

一つの頭に浮かんだ最悪の可能性を打ち消そうとしたが

目の前の友人Aの顔を見て確信に変わる。

 

私は、一言一言、噛みしめるように言った。

 

 

 

 

 

 

 

「もしかして、◯◯君、他にたくさん、関係持ってる人、いる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友人Aはとても苦しそうな顔で、一度目を伏せた後、言った。

 

 

 

「うん。彼は他の女性とも、セックスをしてるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は自分の頭の中が真っ白になり血の気がサーっと引いていくのを感じた。

喉が締まり、足の指先が痺れるとともに

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・そうなのかぁ・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

と一言だけ絞り出すので精一杯だった。

 

 

 

 

 

 

 

⑤に続く