抱きしめてトゥナイト

つらつらと、つれづれに。

5年8ヶ月真剣に付き合った女が、彼氏ではなく「パートナー」を作って学んだ話。⑥

 

 

自分の感じていた違和感がすべて解決した。考えればわかる簡単なことだったが「簡単」と思ってやり切れるわけではなかった。

 

 

 

 

 

 

◯全てがわかった後のこと

 

 

 

 

とても従順にし、自分なりに彼をとても大事に思い尽くしていたこと。

 

 

仕事で疲れているという彼を労わり最初は都心の私の地元まで来てもらっていたのも全面的にあちらの方まで行くようにしていたこと。なのにきっと彼はその分他の女に会いに行っていたんだろうということ。

 

 

一見そんなの他の人が出来て当たり前だろ、と思われても仕方がない状況でいくら緻密に彼が動いていたとしても、バカみたいに信じきってしまっていたこと。それに伴い自分も操を立てていたこと。

 

 

本当は怒り狂ってぶん殴って問い詰めたいが、問い詰めたところで私は何も幸せにならないということ。

 

 

もし自分に今、絞らせたところでまた必ず繰り返すのは間違いないということ。

 

 

目の前の友人があまりにもバツが悪そうにしながら、でもわたしの手を両手で祈るように握っていること

 

 

別れるのはもういやだしつらくなるのはもういやだからと始めたはずのこの関係が

結局一番自分を苦しめていること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは友人Aに「彼はわたしと関係があることを言ったことはある?」と聞いた。

友人Aは「いや本当に初耳だった。」と言った。

「わたしと友人Aがたまに遊んだりしてることは彼に言ったことがある?」と聞くと

「あぁ、それは遊んでるよ〜って言ったことがある」といっていた。

 

 

そうか、彼はわたしと友人が親しいことを知っていたのか。その上で友人Aに他の女を抱いた、と言ったのか。

 

 

 

 

 

 

わたしは全てに関して「あぁ、バカみたいだなぁ」と考えていた。

 

 

 

 

なんでこんなに悲しいのか。わたしは彼のことがそんなに好きだったのだろうか。

 

ここだけの話、あれだけいろんな人に愚痴を垂れてきたものの、本当は好きで情があるのは間違いないと思った。現にいつからか朝、隣で目が覚めて彼の寝顔を見ると気づいたら微笑んでるわたしがいた。でも好きじゃ補えないほど自分と彼はわかりあえないタイプの人間であることは心からわかっていたし、本当に大切だったらこの8ヶ月の間に、彼が言わないのであればわたしから付き合いたいといっていただろう。わたしは彼に付き合いたいとは言えなかったし言おうと思う決定的なものがなかった。 

 

 

これからどうする、そう自分に問いかける。

正直悩む必要はない。今すぐに切ればいい話だ。だがそう割り切れるようなものでもなかった。割り切らないとどうしようもないが、どうもできなかった。

 

 

彼の最初に言っていたパートナーのような存在というものはもう破綻している。

彼が他の女と関係を持ったらわたしはいなくなるからね、と重々伝えていた。

わたしがいなくなる、といったことをわかっていながらも

わたしと距離の近いとわかっている友人Aという共通の知人と一緒に

女性に声をかけにいった考えの浅ましさが一番許せなかった。

 

(友人Aの性の事情の話などはよく聞いていたので、わたしとパートナーの関係を知らない友人Aがこのまえは◯◯君と女性を引っ掛けて・・・などと話す可能性はいくらでもあった。パートナー自身もそれをわかってるはずなのに、それでもそのバレる可能性がある状況で友人Aに話したり一緒に漁るという軽はずみな行動がいやだった。)

 

 

 

 

ただ一番許せなかったのはわたしの馬鹿さ加減だった。

世の中に絶対はない、とあれほどわかっていたはずだった。あんなに学んだはずだった。

人は平気で嘘を付くし、人の気持ちは永遠に続くものではないともわかっていた、はずだった。

 

傷つかないため、と選んできた道は実は一番中途半端で、一番責任がなくて

一番脆いもので、一番自分を幸せにしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◯パートナーとの今後のこと

 

 

 

 

これだけ親密に過ごしてきたが私と彼は「彼氏彼女」ではない。

あえていうなら、のパートナーのような関係だ。

 

 

ではパートナーとは一体何だったのか。

なんの契約を結んだわけではない。お互いに確証はない。好きだ、と言い合うなんて

動作もないことだろう。

 

ただ朝から毎日働き、定期的な時間にいろんな人に電話をかけきちんとラインをし、定期的に会う人を何人も作れるような時間はなかったはずだ。

世の中にはそれができる人もいるだろうが、そんなことができるほど彼は器用な人でも恋愛に全てを賭けるタイプでもない。

 

やはり一番に時間と手間をかけてくれていたのは間違いないだろう。自分は私の所有物であり、私は彼の所有物であるという感覚もあっただろう。

別腹感覚での女遊びということはわかる。いわば正妻ポジションであり他が側室ポジションなのもわかる。

 

 

 

でもわかってたまるか、バカヤロー。という話なのだ。

 

 

 

 

 

 

恋人にも、関係が近すぎた分ただのセフレにもなりきれない自分たちに残っている道は

悲しいことに「別れ」しかない。

 

 

 

たくさんあった時間も、たくさん知ったことも

付き合ってなくても全てがなくなってしまうんだと思うと

男と女っていうのはやっぱ世知辛く難しいものだなあと思った。

 

うまくいけば性も満たせて心も満たせて体が違う分別々のことができて

考え方が違う分いろんなものを得ることができるはずなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑦につづく