5年8ヶ月真剣に付き合った女が、彼氏ではなく「パートナー」を作って学んだ話。③
順調かと思えた私たちだったが、この近すぎる距離は日に日に自分たちの首を絞めることになっていた。
◯近すぎたパートナーの距離のこと
数ヶ月経つと、元々だんだんと愛情が募っていくいわば加算方式の愛の私と裏腹に
あれほど燃え上がってた彼の気持ちは目に見えてわかるほど徐々に鎮火していく一途をたどっていた。
規則的な連絡や熱烈な文章が仇となり、少し減っただけでそれが目立ち
いつも同じ時間に連絡していたことでこないと浮気を疑う
電話をする取り決めはしていないのにこないと変な気持ちになる
早く寝てしまっただけで疑いあう・・・など。
また先ほど書いたように最初に勢いをつけすぎた彼は力尽きてしまい、お仕事を終えたような状態。会えば眠い、疲れた、の嵐。癒してほしいのになんで気を使わないといけないの、っていうthe プライベート至上主義になってしまった。
全くカップルと同じどころかもっと酷い状態へと陥ってしまったのだった。
そこからはそれ関連の喧嘩も増えお互い親しき中にも礼儀ありがたりなくなっていくのを感じていた。気が合い、流れるように急速に距離を縮めすぎた私たちだったが
根本的な年の差による熱の保ち具合の差や連絡頻度の固定概念などのずれや
考え方の違いなども急速に目立つようになってしまったのが原因だった。
つまり他人であるはずのパートナーが必要以上に近すぎたことで矛盾が生じ、そこに生まれたはずのメリットがなくなり逆にデメリットとなってしまったのだった。
彼氏彼女だと生まれる責任がないことをモットーとした関係はいつしか
パートナーという程のいい言葉で繕った、責任のない中の縛り合いとなってた。
◯共通の友人のこと
そんな彼だったが態度の違いや初期の違いに気が滅入ることはあれど
彼の元々のマメさから残ってる活力での毎日の電話、回数は減ったとはいえどしっかりと時間ごとにくるLINEなどは変わらず継続しており私の彼に対する好意も日に日に
増えていったことから何とか保たれていた。
ここで少し時はさかのぼり一人の共通の友人の話になる。
ここで友人は仮にAとする。
友人Aは最初彼と出会った時にいた片割れの一人で、
出会ってから数ヶ月後急に連絡が来たのだった。
女の子の知り合いがいないからついてきてほしい場所があるという話から始まり
付き添いで喫茶店などについていきそれから月に1回程度ご飯をたべにいったりカフェに行ったりと2人で遊ぶようになったのだった。
もちろんパートナーである彼ともうそういう関係になってからのことであったので 最初、友人と遊ぶことに関して決まりはないし別にいいかぁと思ったものの、よくよく考えてさすがにいくらセックスはしないとはいえど同じフィールドの人と友人としても仲良くするのは良い気はしないよなと思い彼に伺いを立ててから行くことにした。
伺いを立てた当初まだ出会ったばかりで熱の入っていた彼は「ちゃんと俺とそういう関係だって言って」といっていたが、
元々恋愛関係を大っぴらにひけらかすことに偏見を持っていた彼は思い直し、わざわざ言うのも野暮だしかっこ悪いからお互い黙っとこう、という風に言った。
私もそれに逆らう理由も特にないうえ、言って友人関係が円滑に進まなくなるなら言いたくないなあと思ってたことから快く了承した。
でも全て黙ってるのもなんか嘘くさいし二人で遠出して遊びに行ったことだけは言うといい、黙っていることにした。
◯友人との関係性
友人Aは優しく、元彼に性格がそっくりだったこともあり、とても波長が合いすぐに仲良くなった。女性的な部分が多くあり気兼ねなくいろんなお店や散歩など行ける上
細かいところによく気がつき褒めてくれるので私自身すぐにとても親愛の気持ちを抱き
心を許すようになった。友人Aも最初こそは下心に近いような雰囲気を出すことがあったものの、私が大事な友人とはしないからとやんわりと伝えるとそれ以上その件について触れてくることはなかった。
そのことからとても良い距離で友人関係を続けられていたのである。
私も正直、まったく友人Aを男性としてみていないというわけではなかったが、パートナーとのセックスにとても満足していた私は決してパートナーを裏切ることもなしかったし、せっかくの良き友人とあえて性的関係を持ちたいと感じることもなく貴重な男友達として仲良くさせてもらっていた。
とは言うものの共通知人である彼と肉体、精神ともに深い関係があることを黙っているのはなにか騙しているようで日をおうごとに私はいたたまれなくなっていた。
その上、彼に対し友人Aと一回目のお伺いした件を除いて、遊んでることをあえて言わなかったこと、
友人Aが日を重ねるたび少しずつ心を許してくれているような対応になっていくことに私は友人に対してか彼に対してかどちらにともいえぬ謎の罪悪感をひしひし感じていたのだ。
そんな日々が続き、ついに問題は起きる
④に続く。
5年8ヶ月真剣に付き合った女が、彼氏ではなく「パートナー」を作って学んだ話。②
(前項目の続き)
・セックスは自分だけとする(原則)
・いろんな所に一緒にあそびにいくことができる
・ラインや電話を気軽にしたりできる
・会いたい時に比較的会える
・自分の事を大切にしてくれる
だけどお互いの友人関係には干渉せず、趣味も自由。お金の使い方ももちろん自由だし休日の使い方や毎日の使い方も自由。結婚や未来の事は考える事はせず
そんな自分自身の事については自由ながらもツガイとしては固定、という存在の
(元々そういうカップルやセフレの形もあるかもしれないがここではそこは考えず)
「パートナー」
のようなものがいればいいな〜なんてなんともとてつもなく都合がいい事を考え始めたわたしだったがその考えが実現する時が来る。
◯出会い
ナンパについていき、その場限りのセックスをするのをやめた私だったが
その日友人と飲んでおり偶然隣に座った2人組と流れから飲むことになる。
まあなんとなくで飲み進め、2軒目に差し掛かった時
その2人組のツレとして連れてこられたのが彼だった。
力説するほどに全く顔がタイプではなかったことから
どうなるなんて一ミリも考えなかった私だが2人で飲みなおさない?と朝方言われた
なんていうか青春感に流されて2人で飲みなおすことになった。
歳も10以上も年上、身長はいいけど顔がな〜タイプじゃないな〜なんて失礼なことを思いながら
安い居酒屋に入り、すこし緊張しながらも話し始めると
彼の職業柄もありその聞き上手と感覚の合う話の面白さから
全く乗り気じゃなかった私が朝5時に入り9じすぎまでノンストップで話しつづけるというまさかの展開に。
そんなこんなでまあ、なんだか悪くないな。なんて思ったところで流されてホテルにイン。
その日は諸事情で断念したのだが、それもアクセントになったのか
とても熱心に日夜問わず誘ってくれる健気な姿に心が動きお家に後日行くことに。
そこでその話をすることになる
◯パートナーについて
ここから数回逢瀬を重ねるのだが、
ここ数ヶ月の「セックスだけの関係はやはりしょうに合わない」という考え方から
簡単にセックスすることに嫌気がさしてたうえ、彼にそこまで興味がなかった私は
彼に対しても簡単にセックスするんだったらもう会えないし、かといって付き合うのは結婚を視野に入れてる人じゃないと付き合う気はもうない、(つまりどちらの関係も無理)と伝えた。
すると彼から「おれは職業柄、今結婚のことを考えることはできないからそれなら付き合うのは無理かもしれないけどセックスだけじゃなくあそんだり、いろいろしたりしたいし他の人ともしてほしくないし自分もしないからそういういわゆるパートナー的なのはどうだろう」
というような旨を伝えられる
・・・・・いや願ったり叶ったりだわ!!!!!同じ考えだってば!!!!!
そう思った私はえ〜なんて悩むそぶりをしながらもその関係に了承し
晴れてパートナーをゲットしたのだった。
◯パートナーになって
形上こうしてパートナーとなった彼の最初のマメさと情熱は恐ろしいものだった。
毎日の決まった時間に仕事が終わると電話をかけてくれ、
どこかのみに行く時はだれとのみに行くね。と、こちらから頼まぬうちに教えてくれた。
会いたい会いたい熱烈コール。一回読むのに毎回一スクロールするほどのライン。
律儀にデートに何度も連れて行き、風邪をひいたといえば1時間車を飛ばし
私の自宅まで風邪薬をもって参上し、褒めて欲しいといえば褒めまくり情熱的に
いかに魅力的か伝えてくれた。私のして欲しい、といったことには恥ずかしがりながらも答えてくれすべてにおいて優しかった。
最初はいやタイプじゃないし、と自分からパートナー制度を考えてた癖に
元々いたセフレを切りきれなかった私ではあったがそんな私でもすぐ感化され情が
わきすべてを切り一本に絞るほどに、彼の姿勢はすごかった。
私たちはいわば「パートナー」ではなく「付き合いたての男女」に近しいものだったのだ。
そこだけ見ると付き合いたいと思うほどだが
彼はマイルールが厳しく、とても他人に厳しい一面があった。
その他にも人の目を異常に気にしたり臆病で疑り深いところがあった。
家に入る際は体と足を洗い、部屋に入る際は部屋着に着替える必要があり
歯磨きは使った後は何度も振り水滴を落としバスマットは風呂から上がった後にしか
踏んではいけなかった。ベットを使う時やソファにはバスタオルが必須、など
特段に綺麗好きなわけではない私は何度も忘れてしまい怒られ
その度少し喧嘩になった。
またその他にも食事や生活面などで気になることなどが多々あり
(あちらもきっと私にたくさん気になることがあっただろうから申し訳ない)
このことから
付き合いたいな、と思うことがあってもやはりこれが彼氏、となると
もしかしたら別れてしまうかもしれないと思うと付き合うには至らず
この関係を崩すことはなかった。
だがそのような小さな苛立ちや綻びは常にあれど
彼氏ではなく他人だ、とおもえることで気にしすぎることなく
なんでもゆるせる、というパートナーならではのメリットもあった。
付き合うと責任が湧いて、共有することが増える分この近いけど
他人という線引きは自分の心を収めるのにとても有効であった。
だが
いいとこ取りのような私たちの「パートナー制度」だったが
時間を追うごとに問題が目立ち始めた。
③につづく
5年8ヶ月真剣に付き合った女が、彼氏ではなく「パートナー」を作って学んだ話。①
道中で手をつなぐ男女を見て、まず最初に何を思うだろうか。
あぁ、仲が良さそうなカップルだな。きっと1年半前の私ならそう思うだろう。
けど21歳の夏、今はこう思い浮かべる
ーあの人たちも、もしかしたら付き合ってはいないのかもしれないなー
そう、世の中にはカップルでなくても手をつないだり、セックスをしたり
ご飯を食べたり、いろんな場所に出かけたりする人たちが思ったよりも
たくさんいるのだ。かくいう私もそういう人がいて、この数ヶ月過ごしていた。
今回私は5年8ヶ月真剣に付き合って別れた女が、彼氏ではなくパートナーを作り
学んだことを書きたいと思う。ここでいう「パートナー」とは独自の表現であり
世間全般の「パートナー」を表しているわけではない。
もちろんこれから書いてある事を読み、意味がわからない、馬鹿らしい、自業自得だ、と読んだ人からすれば嫌悪感や呆れることも多いだろう。
ただこれは私が8ヶ月間パートナーについて考えたことや感じたこと。
そしてこの8ヶ月を経て何があったのか。
今の私の、今のこの感情のままこれから進むためにも、もう一度考える機会として連ねたいだけなのでご容赦頂けると嬉しい。
◯5年8ヶ月付き合って別れたこと
約6年もの間になるが(付き合って別れた理由はとてつもなく長くなるので割愛する)
私には14歳の時から20歳まで付き合った彼氏がいた。
初めてできた彼氏だったこともあってか
初めて親鳥を見た雛のごとく私はその人のことを死ぬほど心酔しきっていたし、
この人と結婚するんだろうなと信じきって疑わないほどには心から愛していた。
が、それも虚しく5年8ヶ月を迎えた20歳の冬別れてしまった。
理由はたくさんある。小さな小さな不満の積み重ねだったとおもう。
私の至らない部分が大きかったが、でもお互い甘えきって依存しすぎてたのが
一番の理由だろう。
修正を試みた時にはもう遅く、気づいた時にはもう戻らないところに
心は離れてしまっていた。
最終的にあちらに好きな人ができてあっけなく破局。
そんなこと夢にも思わなかった私はこれからの先の見えなさと一人になった絶望感で
毎日泣いて過ごしたが、初めて自分について向き合う事を考え見つめ直した結果
紆余曲折ありながらも35キロものダイエットに成功した。
そしてそれからなんだかんだといろんな出会いが爆増した。
付き合ってほしい、と言ってもらえる事もありがたい事にあったが
自分自身の幼さゆえにもう他人を傷つけたくない心から全て断っていた。
それに自分自身も、もうあんな辛い気持ちはしたくはなかった。
だがそんな風に言えど人と一緒にいたいしいろんな人がいる事を知ってみたい、と思う気持ちもあった私はこの際どうにでもなれとぷらぷらと自由に遊び
いわゆるセックスフレンド(セフレ)を作る事になる。
◯「セフレ」ではなく「パートナー」ということ
その後そんな生活から半年ほど経ったが根本的に一人に執着しがちな私には
「セックスをするだけの割切った友達」はしょうに合わず
次第に「特定の自分を大事にしてくれる人」がほしいと考えるようになる。
だがまたそんな特定の人を作ったら前と同じになってしまうのでは?と考えた私は、
・セックスは自分だけとする(原則)
・いろんな所に一緒にあそびにいくことができる
・ラインや電話を気軽にしたりできる
・会いたい時に比較的会える
・自分の事を大切にしてくれる
だけどお互いの友人関係には干渉せず、趣味も自由。お金の使い方ももちろん自由だし休日の使い方や毎日の使い方も自由。結婚や未来の事は考える事はせず
そんな自分自身の事については自由ながらもツガイとしては固定、という存在の
(元々そういうカップルやセフレの形もあるかもしれないがここではそこは考えず)
「パートナー」
のようなものがいればいいな〜なんてなんともとてつもなく都合がいい事を考え始める。
まぁそんな都合のいいことあるわけないよな、と思っていた私だったが
ある日、その事が実現する事となる。
②につづく